あれなるは七つの丘の一角! 罪の都より来たる強欲のアギト! 滾々たる魔泉の竜、アワリティアである! む? 余はなぜそんな事を知っている…?

幕間の物語(女性鯖)

ネロ「ここが大聖杯とやらがあった場所か。

ふむ……読み通りだ。

ここが極上の鍛冶場になろう。

さて藤丸よ。

ここまで来てもらったのは他でもない。

互いへの理解もそれなりに深まってきた故、契約を次の段階に進めようと思ったのだ。

具体的に言うと、戦力の強化だな。

貴様が余に不満を持っていないのは理解している。

“頼りになるサーヴァントだ”

“というか、一番頼りになるサーヴァントだ”とな。

だが、その、なんだ。

余はそれだけでは足らぬ。

もっと貴様に頼られたい!

なので、貴様がより余に依存するよう、余なしではやっていけない状況からだにする事にしたのだ。」

「えーと……?」

ネロ「わからぬかっ!

貴様の幕下において最高のサーヴァントになる!

そう、余は宣言するのである!

……っと、大声を出しては危うい場所であった。

つまり、だ。

今回の我らの共同作業は、余の剣の強化。

余の剣は名剣ではあるが、他の英霊たちのように伝説を持つものではない。

……うむ。ここだけの話をするぞ。

我が剣は余の手作り、と言う点においては最高級プレミアものだが、いまいち威力がない。

そこで、新たな霊脈で打ち直すことにした。

この隕鉄は遙かな過去、地上に落ちた霊石。

シモンめは星の涙……? とか、この星に在らざるもの故、旅人の星も知り得ない希望の欠片? とか、なんとか言っていたが、まあよい。

これを、強力な霊脈であるこの大空洞の中心で火にくべ、生気を宿るのだ。

……だが問題がある。

もはや言うまでもないと思うが——

(エネミーの声)

この通り、ここが良からぬモノどもの巣窟という事よ。

余がここで剣を鍛える間、どうか余を守ってほしい。」

「一緒に戦えないのか?」

ネロ「うっ……

そんな、捨てられた小熊のような顔をするでない、余とて一緒に戦いたい!

だが、この剣を鍛えられるのは余だけだ。

貴様と共に戦うのは我慢せねばなっ。」

ネロ「来たぞ、後は頼む!

なに、余は天才だ、一日もあればやり遂げる!

まる一日、余のために不眠不休で戦うがよい!」

(戦闘後)

「そっちは終わった!?」

ネロ「うーむ……

完成したものの、何か足りない……

やはりここの微妙なカーブがイマイチとみた。

よし、決めた!

喜んでほしい、藤丸。

貴様と余の記念品だからな! 妥協はせぬ!

一からやり直す事にしたぞ!」

「すごいプロフェッショナル根性だ!」

ネロ「ははは、そう褒めるな照れるではないか!

よーし、背中は任せたぞマスター!」

(戦闘後)

「……あのー、かなり疲れてきたんだけどー!」

ネロ「む。しまった。

余とした事がこんな初歩的なミスを!

余と藤丸の名前を、こう、傘の下に並べて刻むのを失念してしまったではないかー!

だがギリギリで気がつくとはまさに天才!

持っているな、余!

よーし、また一からやり直そーう!

盛り上がってきたな、マスター!」

「アイアイ傘だねそれ!」

ネロ「そう喜ぶな、これが最後だ!

今度こそ至高の逸品にして見せよう。

だが……運命も空気を読んだと見える。

皐月の風を運ぶ我が名剣、至高の名器の誕生はそう易々と成せるものではないと言うか。

あれなるは七つの丘セプテム・モンテスの一角!

罪の都より来たる強欲のアギト!

滾々こんこんたる魔泉の竜、アワリティアである!

む? 余はなぜそんな事を知っている……?

……むう。

まあ、勢いで口にしたのであろう。

たまにそういう事もあるしな、余……

ともあれ、凄まじい強敵である事は保証しよう!

あやつこそ我が宝具の位をあげるに相応しい供物!

貴様が余のマスターであると誇るのなら!

見事、あの王冠を砕いてみせよ!」

(戦闘後)

ネロ「待たせたな!

試作再考を重ねること七回、ここに新たな剣が誕生した!

名をフェーヴェンス・アーデオ!

この大空洞にちなみ、燃え盛る聖なる泉とした!

どうした、遠慮せず見るがよい!

もっと近くによっていいぞ?

もっと近く!

(急接近するネロ)

ここだ、この柄の部分に注目してほしい。

美しい文字で余と貴様の名が刻まれているであろう?

ふふふ、そう照れるな、余も照れる!

これはもう余に夢中にならざるを得ないな!」

「だから、もとから夢中だって」

ネロ「う、うむ、よい返事だマスター!

では早速、新たな戦場に向かうとしよう!

この剣の切れ味、一秒でも早く披露したくてたまらなくなってきたぞ!」