私は治療し、看護する事に喜びを得るモノですが。同時に——藤丸が傷付き苦しんでしまう事を、悲しむモノでもあるのです。

幕間の物語(女性鯖)

婦長「氏名、藤丸。

カルデア所属。

呼吸、脈拍、正常値。

肉体の欠損なし。

特異な神経系・・・・・・にも問題なし——

よろしい。

問題ありませんね。」

???「フン。

特異な神経系、ときたか。

魔術回路と魔術師達が呼び倣わすモノさえ、おまえにとっては神経の一種に過ぎんのだろうさ。」

巌窟王「——随分と荒れていたな、日中は。

生前の自分の姿を仄かに覗かれて、何だ。

よもや焦ったか。

鋼鉄を纏う天使が如きおまえが?

珍しい光景を目にしたぞ。

はは。礼を言おう。」

婦長「…………貴方。

訳の分からない妄言はほどほどにしておきなさい。

マスターといい、此処には負傷者やその予備軍が多い。」

巌窟王「俺には構うな。

おまえは——

藤丸だけを見ていればいい。

いつか、救いの手が必要となる時も来るだろう。」

婦長「………………。

……貴方の言葉はとても分かり難い。

ゆえに、私はその意味をすべて受け止めているとは言えませんが、私は、看護師です。

それ以上でも以下でもない。」

巌窟王「フン。

——人類史に刻まれた数多の英霊!

——勇猛果敢なる英雄英傑は、数多かれども!

傷を癒やすモノ、救う英霊、などと。

そうは多くなかろうよ。」

婦長「…………。

やはり分かりません。

貴方、母国語を使ってはいかがです?」

巌窟王「フ。」

(姿を消す巌窟王)

婦長「…………また、逃げる。

救うヒト、などと。

買い被り過ぎでしょう。

私は治療し、看護する事に喜びを得るモノですが。

同時に——

藤丸が傷付き苦しんでしまう事を、悲しむモノでもあるのです。」