仮想現実という意味ではシミュレーターと大差ないが、バベッジ卿の組み上げたプログラムによって何と! 我々は今、カルデアのシステム内部に入り込んでいる。

幕間の物語(男性鯖)

マシュ「今朝は、ミスター・ホームズからお話があるようです。

訓練用の戦闘シミュレーターについて何か……。」

ホームズ「おはよう、藤丸君。

予想した通りの時刻にぴたりと来てくれたね。

本日はそう、ミス・キリエライトの言った通り、シミュレーターに関する実験に付き合ってもらいたい。

バベッジ卿に依頼していたとあるもの・・・・・が遂に完成したのでね、ぜひキミたちに体験してもらいたいと思ったのさ。」

ホームズ「言葉で説明するのは簡単だが、まずは体験してみたまえ。

レイシフトという訳ではないから、それほど緊張する必要はないが、油断しすぎるのも良くないね。

当然、戦闘は少しばかり発生するだろう。

では早速——」

マシュ「あっ、す、すみませんミスター・ホームズ!

まだ先輩の魔術礼装への着替えが……!」

ホームズ「そのあたりも入力済みだよ。

正式なレイシフトではないからこちらの設定次第さ。

では——始めるとしよう。

シミュレーション開始だ!」

マシュ「先輩、先輩。

聞こえますか?

ああ、繋がっていますね。良かった。

シミュレーションよりもレイシフトに近い雰囲気ですね。

ところでそこは一体……

どこなんでしょうか?」

「見覚えがあるような、ないような」

マシュ「ええと、わたしには覚えがありません。

シミュレーターで使用されるシチュエーションといえば、通常、レイシフト先で確認された場所を模して造られたステージであるはずです。

でも、これは……ワイヤーフレーム……?」

ホームズ「SF空想科学で言うところの電脳空間のようなものだ。

仮想現実という意味ではシミュレーターと大差ないが、バベッジ卿の組み上げたプログラムによって何と!

我々は今、カルデアのシステム内部に入り込んでいる。」

「とうとう電脳空間にまで!」

マシュ「システム内部に入る……

つ、つまりおふたりがデータ化してるのですか!?」

ホームズ「その通り。

ああ、とはいえ意識だけだよ。

さすがに肉体のデータ化までは達成できていないさ。

実は、普段キミ達がシミュレーターを運用する際に使っているメインフレームのメモリ内部に、どうにも怪しげなデータの塊を見つけてしまってね。

スタッフ諸君と除去に取り組んでいたんだが……。

これがなかなかに手強い。

なので、数学の天才たるバベッジ卿に依頼を行った。」

マシュ「あの、それは……

バベッジさんに直接対処してもらえばよかったのでは……?」

ホームズ「まあ、私が直接この目で見ておきたいと思ったのさ。

気になる事があったからね。

ゆえにバベッジ卿に無理を言って、こうしてジャックインプログラムを用意してもらったという訳だ。」

「なるほど?」

ホームズ「理解してくれたかな?

さあ、では先に進むとしよう。

目標のデータ塊が存在するノードはもう少し先にあるからね。

本当はデータ塊の目前に出現したかったんだが、該当ノードには頑丈なプロテクトが掛けられていてね。」

「それってつまりいつもの……」

(エネミーの声)

「聞き慣れた鳴き声!」

マシュ「先輩、敵性反応があります!

……って、あれ?

おふたりはカルデアのメインフレーム……

つまりコンピューターの中にいるんですよね……

なのに実際の魔力・・・・・を有した敵性反応が感知されてる!?」

ホームズ「ああ、やはりそうか。」

マシュ「ミスター・ホームズ!?」

ホームズ「ここはシミュレーターのシステム内部ではあるが、今から発生する戦闘はシミュレーションより現実に近い。

被ったダメージは現実の肉体へと影響を与えてしまうだろう。注意したまえ。」

「大丈夫。何となく、そんな気はしていました」

ホームズ「心強い返答だ。

では、実力行使といこう。」

マシュ「…………急速接近!

どうかご注意を、先輩!」