トーマス・エジソンの独白(テスラ幕間後)【FGO考察SS】

FGO考察SS

「ぬぅおおおおおおおおーーー!!!!

なんなのだアイツは!?

こちらが下手に出てやったのに何だあの態度はーーー!!!!」
 

直交論争は終わらぬ!

前から分かっていたことではあるが、終結の見込みなどないことが本日よく分かった。

やはりあのすっとんきょうとは相容れぬ!

だいたいこの私が”すっとんきょう”だと?

莫迦も休み休み言え!!

すっとんきょうは貴様の為にあるような言葉だろうが!!

私などはむしろ、その逆だ。

どうすれば多くの人に受け入れられるのかを理解していたのは、誰がどう見ても私の方だろうに!

貴様に足りなかったのはそこなのだ。

大それた妄言もどうかとは思うが、それは大事を為すのに必要なものと多少は認めてやろう。

私も他人に対しては、少しばかり無茶を押し付けたような気もするしな。

しかし、私がこれほどアイツに怒りを感じるのは何故だろうか。

他人を見下すようなあの態度が気に入らん。

天才であることはいいとしても、その爪を隠そうともせず、ひけらかすような行動も見過ごせぬ。

そして何より……

私の言うことを頭ごなしに否定してくるのが何よりムカツク!!!!

許せん!!

…………。

まぁ、アイツが私を嫌う気持ちはよく分かっている。

私はテスラの夢を潰した。

世界システムなど、実現することは皆無であっただろうが、その妄想を壊したことには変わりない。

実現するものではなかろうが、その発想自体が我々には邪魔だった。

……もはや手遅れだったのだ。

すでに後には引けぬ状態だったのだ。

決して私の個人的な恨みや嫉妬で起こしたことではないことを断言しておこう。

私の個人的な興味などで見過ごしてはならないものだった。

私は一人ではなかったのだ。

だからこそ……

だからこそ私は、世界システムなどという言葉を受け入れることができなかったのかも知れない。

私には守るべきものがあった。

しかしテスラにはなかった。

一人であり、孤高の天才だったからこそ、世界システムなどという超巨大妄想は生まれたのだ。

もしかしたら……

私がテスラを受け入れ、世を認めさせ、多くの協力を提供することができたのなら、それは実現していたのかもしれない。

まぁそんなことは、それこそ99.9パーセントないだろうがな!

だが……

決してゼロではなかった。

あの天才が大真面目に可能だと宣っているのだから、それぐらいの可能性はあったのだろう。

しかしなぁ。

ニコラ・テスラよ。

“世界システム”というものは確かに素晴らしいものだが、この世界には許容できる範囲というものがあるのだよ。

その志がいかに正当であろうと、正義であろうと。

それが良い結果に結び付くかどうかは誰にも分からないのだ。

沢山の人々を幸せにしようと努力した成果が、自分ではない誰かによって、沢山の人々を不幸にする結果に用いられる。

そんなことは我々の業界では良くあることなのだ。

だからなぁ……

私が思うに、貴様の夢は”あの時代”に叶えてはならなかったのだ。

過ぎた力を持った人類がどう進むのかは、神ですらも分からない。

“世界システム”などという人類の根底を揺るがす技術がもたらすのは、”手に負えない発展による手に負えない破滅”であったのだろう。

だがテスラ。

貴様の大きな夢は叶えられなかったが、少なからず、いや数え切れないほど、多くの人々の夢を叶える力になれたのではないか?

と言っても私ほどではないがな!

わははははははははははは!!!!

…………。

そして多くの人に夢を与えた。

それで我らは十分ではないか。

自らの希望を叶えたい気持ちはわかる。

期待した未来に、少しも追いつかない現在に嘆き、私を恨みに思うのも仕方がなかろう。

だが、そこまでで終わらせておけ。

終わった人間の夢は、後の人間に託すしかないのだから。

発展ばかりを追い求めるな。

その時代に生きる人間の為したことだけが、その時代の人類に必要なものなのだ。

しかしまぁ……

アイツは言っても分からんのだろうなぁ……

だからこそのすっとんきょう!

ミスター・すっとんきょうなのである!!

……私は何があろうと貴様と仲良くするつもりはない!

貴様とは永遠に敵対してやる。

それが貴様にしてやれる唯一の……

グハァアッ!!

って私はなにを言っているのだ気持ち悪い!!

こんなことを考えてしまうのも私の寛大すぎる心がゆえだな……

——フン。

次に対峙するまでにはまともな論文を持ってくることだな!

そしてそれは、私が全身全霊を以て否定してやる!

ただし今度は社長としてではなく、一科学者としてだ。

せめて……

それだけは、約束してやろう。